子供のうちに咬合誘導でキレイな歯並びを
矯正治療で医師が歯並び、噛み合わせを治すことは当たり前のことですが、大切なのはどうしてそのような不正咬合になったのか…を考えることなのです。例えば、姿勢、指しゃぶり、爪や鉛筆を咬む癖や、舌を前に出す癖、鼻炎、口呼吸など…こういった原因も改善していかないとせっかく矯正治療でかみ合わせを治しても、少しづつ歯は戻っていってしまいます。また、矯正装置を付けていると、通常の状態よりは丁寧な歯磨きが必要になります。
当院でも十分に歯磨きの練習をして、さらに歯が強くなり、虫歯になりにくくなるフッ素塗布をサービスで行っておりますが、小さなお子様が矯正をされる時、ご両親は「矯正歯科のクリニックに行かせているから安心」と思わず、お子様が治療中のルール(歯磨き、装置の取り外しや舌や唇の体操など)を忘れずに実行しているかしっかり見守って欲しいと思います。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。
※矯正治療の治療期間の目安は約24~30か月(動的治療期間)、通院回数24~30回(動的治療期間)です。
子供の矯正治療のポイント
歯の凸凹やかみ合わせを治すことはもちろんですが、上アゴ、下アゴの骨格のバランスを整えることをメインに治療を進めていくことが大事です。
成長が終わってしまうと骨格のバランスを整えることは出来ず、歯の移動しか出来なくなるからです。「受け口」を治すのに効果的なのは上アゴを成長させることが出来る第一次成長期、「出っ歯」を効果的に治すことができるのは第二次成長期が適しています。これ以外の時期に治せないわけではありませんのでご安心ください。
第二次成長期(背がぐんと大きくなる時期)以前の子供の矯正治療は、主に上下のアゴの位置やバランスを整えること、これから永久歯に交換していくにあたって、凸凹がなるべく出ないようにすることを中心に行います。大人のアゴになってしまうとアゴの大きさ、位置はほとんど変えることが出来ないので、凸凹やアゴの位置が悪いのを治すのに、歯を抜かなくてはいけなくなってしまうことがあるのです。
歯並びが凸凹になる原因
- まだ歯が生え変わる時期ではないのに虫歯で乳歯を抜いてしまった
- アゴの大きさが発育する前に、永久歯の交換が進んでしまっている
- アゴや歯を事故や運動中にぶつけたことがある
- 欠損歯(歯の本数が足りない)や過剰歯(歯の本数が多い)がある
- 親知らずが生える時期になって、急に前歯がずれてきた。
- 指しゃぶりや爪を咬む癖、タオルやガーゼを咬む癖をなかなか止める事が出来なかった
- 下唇を咬む癖がある
- 舌を歯に押しつけるような動き(弄舌癖:ろうぜつへき)や、舌を前に出していることが多く発音が悪い(舌突出癖)
上記以外にも他に歯並びが悪くなる要因はありますが、注目していただきたいのは⑥~⑧の癖に起因している患者さんが非常に多く見られることです。
もちろん、①のように乳歯を早く抜いてしまったりすれば、当然歯並びは悪くなりますが、最近では学校の検診できちんとチェックしていますし、ご家庭でお子さんの歯磨きのチェックや食生活の管理をしていただいている成果によって大きな虫歯を持っている子供はあまり見かけることがありません。
矯正歯科治療における一般的なリスク・副作用
- 治療期間は個人差が大きく出ます。
- 矯正治療は歯を支える骨の代謝をコントロールして歯を移動させます。
そのため、治療の初期(1週間程度)には顎の部分に痛み、熱感、倦怠感などを生じ、食事がしにくくなることがありますが、だんだんと軽くなります。痛みの程度には個人差があります。 - 矯正治療による歯根吸収(歯根が短くなること)が生じる場合があります。
- 矯正装置による歯肉退縮(はぐきが下がること)が生じる場合があります。
歯茎が下がると、歯が長く見えたり、歯と歯の間に隙間が出てきて黒く見えることがあります。 - 矯正装置による口内炎が生じる場合があります。
- 矯正装置により歯磨きがしにくくなり、虫歯および歯周病になるリスクがあります。
- 痛み止めなどの薬の服用は、歯の移動を阻害することがあります。
- 歯周病や根の先に感染症があると、悪化することがあります。
- 顎関節症があると、悪化することがあります。
- 骨や内分泌系の疾患があると、治療期間が延びる可能性があります。
- 本人に取り外していただく装置を使用することがあります。
医師の指示通りに使用しない場合には歯並びの改善が困難になることがあります。 - 治療後のリテーナーの仕様が不十分な場合、歯列が後戻りすることがあります。
- 治療後には中、長期的に見て生理的な変化があります。
これは、矯正治療の後戻りとは異なり、新たに獲得した噛み合わせび自然な変化です。
矯正治療を行わない人にも必ず噛み合わせの変化は起こります。 - 遺伝性、骨格性の不正咬合の場合には、個々の成長能力により症状が再発することもあります。
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